題目
ASD当事者の聴覚過敏性の解明と問題の緩和に向けた機械学習技術によるアプローチ
 
市川樹(国立障害者リハビリテーションセンター発達障害研究室・流動研究員)
 
要旨
ASD者の多くが訴える生活上の困難として聴覚過敏性がある。具体的には特定の音に対する強いストレス反応や騒音への耐性の低下が知られており、音声によるやりとりを介する対人コミュニケーションにも影響を及ぼす問題である。発表者はこの聴覚過敏性の問題を『外界からの音刺激を受けて表れる主観的経験に、非ASD者と比較して特異な変化が生じていることで起こる問題』と捉え、どのような音に対してどのような主観的経験の変化が生じるかを予測する機械学習モデルの開発を行っている。本発表ではモデルの開発状況、並びに将来的な聴覚過敏性による問題の緩和のためのモデルの応用について解説する。